Upgrade to Chess.com Premium!

How a Retired Player Prepared for His Tournament (In JAPANESE)

こんにちは。FM上杉晋作(晋)です。

大学に入った後、Competitiveなチェストーナメントから引退しましたがまとまった休みに日本に帰国した際、お遊び程度にチェストーナメントに出場しています。今までアメリカでやっていた頃はトーナメント前のプリパレーション(準備)なんてしたことがありませんでしたが、この夏から積極的に準備して大会に臨むようにしてきました。結果、夏に新潟国際親善チェス大会とサマーオープン優勝、冬にはクリスマスオープンと新年チェス大会を優勝することができました。ここで引退してかなりのブランクがある元トーナメントプレーヤーが、どうやって夏から参加した4大会全てを優勝することができたのか、そのプリパレーション方法を公開しようと思います。

ここで一つ注意点ですが、僕が優勝したトーナメントらは(出場者に失礼かもしれませんが)、日本最高峰のレベルのトーナメントではありません。日本のトッププレーヤーであり今の自分より強いであろう小島慎也さんはハンガリーで修業中、 南條遼介さんは都合がつかなくてこれらの大会に参加できていません。なのでこのプリパレーション方法は出場者の最高レートが 2000~2100クラスの大会なら通用するかもしれませんが全日本選手権レベルで優勝するとなるとちょっと難しいかもしれません。

前置きが長くなってしまいましたが、本題に入りますね。

プリパレーションをする際に一番多く利用したのはビデオレッスンです。Chess.comではダイヤモンドメンバー(1239円/月、8760円/年、タイトル持ちプレーヤーは無料特典としてついてきます)になると無制限にビデオレッスンが見れるようになります。ビデオレッスンは全て英語ですが、理解できるならこれを強くお勧めします(お金を払ってでも)。中でもお勧めなのは:

GM Roman Dzindzichashviliのオープニングシリーズ(個人的なヒットはNimzo Indian Defenseのシリーズ & Scotch Gambitのシリーズ)と

GM Melik KhachiyanのAccelerated Dragonシリーズ

のビデオレッスンです。特にGM Dzindzichashviliは個人でDVDも出しておりhttp://www.ukgamesshop.com/Merchant2/merchant.mvc?Screen=CTGY&Category_Code=chdvromでチェックすることができます。Chess.comのビデオレッスンはDVDの簡易バージョンといったところなので、懐に余裕がある人は自分が興味をしめしたオープニングのDVDを買うことを勧めます。彼が勧めるオープニングは習得しやすく時間がないプレーヤーでも数日でマスターすることができるので、トーナメント前に早急にレパートリーを増やしたい人には特におすすめです。僕はアメリカ時代に出場したトーナメントの試合が数多く出回っているので、今まで使ったオープニングを再利用するよりも新しいオープニングレパートリーを作り使用することにしました。ビデオレッスンを利用するにあたっての注意点は、GMは全てのバリエーションを網羅するわけではないので、カバーしていない部分はどうするか自分で考えましょう。この時なぜこの手をしなかったのか、なぜこの手の後のバリエーションをカバーしなかったんだ、という時には比較的簡単なタクティクスなどが隠されていることがあります。このようなことを考えるだけでもチェスの実力は向上すると思います。どうしても分からなかったらコンピューターに聞くか(最初からコンピューターに聞くのは自分で考える力を培えないのでやめましょう)、chess.comのgame explorerやchessbaseのデータベースで調べましょう。

実戦にはChess.comとChesscubeを利用しました。タイムコントロールは主に持ち時間一分の試合を何回もこなしました。僕が出場したトーナメントは持ち時間が少なく切れ負けの時もあったので、時間を使いすぎて負けるなんてことがないようにこの持ち時間でトレーニングをしました。一分チェスは賛美両論あると思いますが、ある程度レーティングが上がってくると時間落ちだけでは勝てずにチェスで勝つ必要が出てきます。そうなると一分という短い時間でいくつものプランを出し、最善のプランを選択しなければいけません。タクティクスなどは数秒以内で正確に読み切れなければいけません。更に一試合の時間が短いので一日何試合もでき、オープニングを試す練習にもなります。日本のトーナメントに出て日本のプレーヤーは特にタイムプレッシャーに弱いと感じたので、いざとなれば時間を切らせて勝つ、引き分けに持ち込む、という戦法も使うことができました。時間の配分やいざとなった時に早指しで相手を圧倒することができるのも実力の一つ(逆にタイムプレッシャーでミスをするのは致命的な弱点にもなりうる)なので、実戦練習ではブリッツやブレットを取り入れることもお勧めします。

個々に対するプリパレーションとしては強敵となりそうな人物、主にレーティング2000超えの人物の試合をデータベースに入れそれぞれ個別にオープニングを用意しました。試合の集め方はchessgames.comを使ったりchess.comでやった試合のPGNをダウンロードしたり、JCAのサイトで公開されている全日本選手権の棋譜集などを使いました。

最後に、チェスを本当に強くなりたい、レーティングを上げたい人たちへ、

少なくともレーティング2200くらいまでは、チェスの実力は時間とお金を使うことで上げることができます。自分は大学に入ってチェスと無縁の生活をおくってきて、実力的には相当弱くなっていたにも関わらず日本のトーナメントでは優勝することができました。それでもトーナメント前は、絶対に優勝したくて一試合負けることですら嫌だったので毎日数時間プリパレーションしたからだと思います。個人的にはチェスは好きくないですが、絶対に勝ちたい気持ちがあったからこそここまで時間を使ってプリパレーションできたんだと思います。また今度、日本に帰国した際にはトーナメントに出るかもしれないので、その時はまたよろしくお願いします。

この2試合は新年チェス大会でオープニングプリパレーションのおかげで勝てた試合なので公開します。

Comments


  • 23 months ago

    ssmmisaka

    返信ありがとう。LilovはすでにOhsawa君がコーチに雇って、スカイプでリアルタイムでやっているそうです。

    個人に合わせたビデオレッスンなんてあるんですね。今度Ohsawa君にも聞いてみます。

  • 23 months ago

    FM Shin_Uesugi

    misakaさん、返信が遅くなってしまってすいません。

    お金はあるけど時間がない社会人の方である程度の実力がある人なら、本格的にコーチを雇ってコーチングを受けることをお勧めします。お勧めはGMを雇ってリアルタイムで毎週1-2時間ほどやるのがいいと思いますが、時差がある&なかなか時間が合わないなど問題があればこの人をお勧めします。

    http://www.chess.com/coach/valeri-lilov

    http://www.tigerlilov.com/

    彼は時間が空いてる時に見れる、個人に合わせたビデオレッスン(Personalized Video Lecture)を作っているレアなコーチなので一度試してみるといいかもしれません。

     

  • 23 months ago

    ssmmisaka

    金はあっても時間の無い社会人に是非アドバイスを。

  • 24 months ago

    Caliphigia

    Arigato.

  • 24 months ago

    FM Shin_Uesugi

    中川君、

    10. Na3含め14.Ne3まではオープニングプリパレーションです(GM Romanのビデオでアイデア含め解説してくれています)。その後も数手か準備していたのですが、内田さんが14. Rg8-15.Rg6とミスをしたので16.Nd5-17.Nxf6+!のタクティクスが決まりました。GMは内田さんが指した14.Rg8の後のバリエーションはカバーしていませんでしたが、Tactics Trainerなどで鍛えておくと16.Nd5-17.Nxf6+でポーンを取れるタクティクスが見えるので「ああ、このタクティクスがあるから14.Rg8-15.Rg6としてもどうせポーンを守れない。だからGMはこのバリエーションをカバーしなかったんだな」、と分かります。

    ついでに小林君が指した7.Nc6?も自分の記憶上ではGMがカバーしていた手ではなかった(GMは7.d6をベストムーブと言ってビデオレクチャーを進めていたので)のですが、内田さんとの試合中にNc6とされたらどうするかを考えていたら8.Bxf7+!の後に白が一瞬で優勢になるのに気づいたので小林君の試合ではそう進めて比較的楽に勝てました。

    openingの勉強で個人的に重要だと思うのは、そのオープニングによく出てくる「形」、手順(Move order)の意味、そしてプラン(そのポジションで何を目指しているか)です。自分はビデオレッスンでGMがこれらのことを解説してくれたのでそれを何度も見た後、実戦練習で投入しました。たとえば内田さんとの試合では14.Ne3の後はこのオープニングでよく出る「形」(黒はf5、d5に穴があり白はその弱点をついて攻める)ですが、僕はちょっと手順でミスってしまい13.Bxf6と相手のナイトを取るのが遅れてしまいました。内田さんは素直に13.gxf6とビショップを取り返してくれたけど、13.Qc5+とされたらちょっと困ってたかもしれない。ならf6のナイトは11手目に取っておくのが正解だったと思います。最終的に出てくるポジションは同じだけど、11手目に取っておけば13Qc5+という返し技もないわけだし簡単に僕が準備した「形」へと持っていけることができました。

    何手ぐらい勉強するかはオープニングにもよるけど、僕は今回内田さん、小林君に対して使ったオープニングは20手くらいまで準備していました。ただそこまで準備通りに進むわけはないので(今回のように)、準備から外れた時にどう指すかというところではタクティクス、ポジションの理解などが求められます。たとえば小林君との試合では僕が既に1ポーンをサクリファイスしていたので、8.Bxf7+!としてもポーン得になったわけではありません。でもその後読んだポジションを見たら黒は敗勢になると判断できたので(なぜ黒は敗勢なのかを具体的な手で示すのではなく、言葉で説明できれば高いレベルでこのポジションを理解できています。考えてみて!)、7.Nc6は悪手だと分かりました。

  • 24 months ago

    Oraoradeki

    アマチュアの人ならなかなか思いつけない手、例えば内田さんとのゲームで10.Na3!とか指せるようになるためにはどうすればいいでしょうか?やはりChess.com のTactics trainer で毎日のように練習をするのですか?

    あと、Openingはどれぐらい勉強したらいいですか?最初の五手ぐらいですか?

  • 24 months ago

    FM Shin_Uesugi

    ひつじゅんさん、

    ネタを使い切ってしまったので今は書くことがない状況ですが、また何かあったら書いてみます!

  • 24 months ago

    hitsujyun

    実践的な内容でためになりました。また何かのテーマで記事を書かれることを楽しみにしてます。

  • 24 months ago

    FM Shin_Uesugi

    中川君、読んでくれてありがとう!

    正直両方優勝できるとは思ってなかったけど、なんとか優勝できて良かったです。

  • 24 months ago

    Oraoradeki

    上杉さん、参考になりました。ありがとうございます。

    あまり準備しなくてもChristmas Open と新年大会を優勝するのはさすがですね。

     

    中川晟志 (The 3rd year high schooler you met at Christmas open)

  • 24 months ago

    FM Shin_Uesugi

    読んでいただいてありがとうございます!

    また日本に来てチェスを指す機会があったらよろしくお願いします!

  • 24 months ago

    Cultus

    とても面白い記事をありがとう。

    特に実戦練習ではブリッツやブレットを取り入れることもお勧めします。という点はもっと日本のプレイヤーが耳を傾けてもいい点なのではないかと思う。負けた時によくブリッツだからと言い訳することがあるが、たとえ1分チェスであってもopening repertoire, calculation, easy tactics, instant strategyを磨き上げることはできると思う。

    個人的にはチェスは好きくないですが、”…なぜw

    二二二( ^ω^)二ブーン

  • 24 months ago

    Cultus

    [COMMENT DELETED]
Back to Top

Post your reply: