x
Chess - Play & Learn

Chess.com

FREE - In Google Play

FREE - in Win Phone Store

VIEW

実戦解説:ただより高いものはない

Rochan_to_Danke
Nov 15, 2014, 3:26 PM 1

皆さんこんにちは!今回も、某チェスサイトで見つけた面白い試合について解説していきたいと思います。この試合は持ち時間14分+1手5秒加算で行われました。

Anonymous (1724) VS Anonymous (1756)

1.d4 d5 2.c4 dxc4

Diagram after 2...dxc4

2手目でc2-c4とポーンを犠牲にするこのオープニングはクイーンズ・ギャンビット。白は一時的にポーンを捨てましたが、黒の中央のポーンをcファイルに逸らすことに成功しています。e2のポーンを動かして、将来的にc4のポーンを取れるのであれば、中央にポーンが二つ残っている白の方が中央を支配しやすいと言えるでしょう。ただ、黒も将来的にc7-c5としてcポーンをdポーンと交換することができれば、中央の支配はほぼ互角の展開になるはずです。

3.Nf3 Nf6 4.e3 Bg4 5.Bxc4

Diagram after 5.Bxc4

白は無事ポーンを取り返すことができました。対する黒は、テンポよく駒を展開し白マスビショップが白のナイトをピンしていますね。

5...e6!

Diagram after 5...e6!

白のビショップの斜線を止め、黒マスビショップの道を開けてc7-c5突きを用意する5...e6がここでの正確な一手。例えば5...Nbd7とナイトを展開しながらc7-c5を準備する手も自然な手に見えますが。。。

5...Nbd7? 6.Qb3!

Diagram after 6.Qb3!

序盤にcポーンを突くクイーンズ・ギャンビットでは、クイーンをb3に配置してb7とf7の地点を攻撃する手筋が存在します。特にc8のビショップが展開している場合はb7のポーンの守りが手薄になるため、黒は常に気を付ける必要があるでしょう。この局面では黒はb7とf7を同時に守ることはできず、ポーンダウンとなってしまいます。では、本譜に戻りましょうか。

6.h3 Bh5 7.Qb3 Bxf3 8.gxf3

Diagram after 8.gxf3

黒はここでビショップとナイトの交換をします。前回の記事で書いたように、客観的に見るとビショップの方がナイトより使いやすい駒なので、黒はやや不利な交換をしたことになりますね。しかし、その代わり白にダブルポーンを作らせ、キングサイドのポーンの形を乱させることに成功しました。gポーンがfファイルに動いてしまったことにより、白はキングサイドにキャスリングはしにくいですね。これらのことから、ビショップとナイトを交換するだけのメリットはあったと言っていいでしょう。

8...b6 9.Nc3 a5?!

Diagram after 9...a5?!

9手目に、黒からミスが飛び出しました。9...a5は次にa5-a4とついてクイーンを攻撃する手を狙っているのでしょうが、a4の地点は白にがっちりと守られています。序盤で明白な意図がないのに駒の展開を助けず、中央の支配に絡まない手を指すのは良くありません。黒は9...Be7とビショップを展開し、キングサイドのキャスリングを準備したほうが良かったと思います。開いたgファイルからの攻撃は怖く見えますが、白の兵力はクイーンサイドに集中しているので黒は問題なく守り切れるはずです。

10.e4!? Qxd4?

Diagram after 10...Qxd4?

10.e4と白が仕掛けた甘い餌に、黒はたまらず食いついてしまいました。確かにポーンをただ取りすることはできますが、中央のポーンが消えることによって白のビショップやルークが活躍できるラインが増えてしまいます。更に、白はBe3-Rd1とクイーンを攻撃しながら駒を展開することができますね。黒はここからクイーンを何度も動かさなければいかず、他の駒の展開やキャスリングが遅れてしまいます。

11.Be3 Qd8 12.Rd1 Qc8 13.e5

Diagram after 13.e5

h1のルーク以外の駒が全て攻撃に参加できる位置にある白に対し、黒の駒はほとんど展開できていません。展開できていない駒は攻めに参加できないので、中央に取り残されている白キングはすぐに攻撃されることはないでしょう。反対に、同じく中央に取り残された黒キングはいつチェックメイトされてもおかしくないですよね。

13...Nfd7? 14.Bxe6!!

Diagram after 14.Bxe6!!

13...Nfd7はキングの回りを固め、Nxe5やNc5と白クイーンを攻撃する狙いを含む自然な一手ですが、そのナイトは黒クイーンの斜線を塞いでしまっています。一瞬手薄になってしまったe6のポーンに対するサクリファイスを、白は見逃しませんでした。f7のポーンが攻撃されており、d7のナイトもピンされているので黒はこれを取る一手ですが。。。

14...fxe6 15.Qxe6+ Be7 16.Bg5

Diagram after 16.Bg5

白が勝つ手はいくつも存在しますが、16.Bg5はピンされた駒を集中砲火するという基本に忠実な攻め方です。

16...Qd8 17.Nd5!

Diagram after 17.Nd5!

クイーンを寄せ必死に守る黒に対し、白の更なる攻め駒が襲い掛かります!この手も、ピンされたe7のビショップを攻撃していますね。e6のクイーンはg8のマスを押さえているので、黒はキャスリングをすることもできません。

17...Nc6 18.Qxc6 Bxg5 19.Nxc7+ Kf8 20.Ne6+ 1-0

Diagram after 20.Ne6+

17...Nc6とナイトを捨ててまで攻めを緩和しようとした黒も、19.Nxc7+から20.Ne6+とポジションが完全に崩壊し、わずか20手で投了しました。自分の駒が展開できておらず、キングが中央に取り残されているのに10...Qxd4とポーンをただ取りしてしまったのが直接的な敗因だったと思います。では、この試合から学べることを少しまとめてみましょう。

  • クイーンズ・ギャンビットでは、白はクイーンをb3に配置してb7やf7のポーンにプレッシャーをかける手筋が存在する。
  • 序盤では中央を支配しながら駒を展開し、キャスリングをする。
  • 展開できていない駒は、攻めに参加できない
  • ピンされた駒を集中砲火することで駒得を狙う。
  • 駒をただ取りできる時は、何故相手がそう指したのかを考える。

今回の解説は以上です。また次の記事でお会いしましょう!

Online Now