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実戦解説:ハロウィン・ギャンビット

Rochan_to_Danke
Nov 19, 2014, 2:50 PM 10

皆さんこんにちは!今回は某チェスサイトで非常に面白いオープニングで始まった試合を見つけたので、それを解説していきたいと思います。この試合は持ち時間11分+1手12秒加算で行われました。

Anonymous (2054) VS Anonymous (1925)

1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.Nc3 Nf6

Diagram after 3...Nf6

1.e4 e5から始まり、白と黒の両方のナイトが展開しているこのオープニングはフォーナイツ・ゲーム。白の3手目は他に3.Bb5や3.Bc4などといった有名どころのオープニングがあり、3.Nc3はあまり指されていない印象があります。白は次に4.Bb5と白マスビショップを展開したり、4.d4として黒マスビショップの展開の道を開けながら中央にプレッシャーをかけるのが一般的ですが。。。

4.Nxe5!?

Diagram after 4.Nxe5!?

10月31日は過ぎてしまいましたが、相手を驚愕させるこのオープニングの名前はハロウィン・ギャンビット。これは一時的ではなく、完全にナイトを捨てるオープニングです。白のアイデアは、黒が4...Nxe5とナイトを取った後に矢印のようにポーンを進め、ナイトを攻撃しながら中央を支配すること。ただ、ピースダウンで戦うのはさすがに厳しく、ちゃんと準備している相手に対してこのオープニングを使うのは非常に厳しいと言えるでしょう。

4...Nxe5 5.d4 Nc6

 

Diagram after 5...Nc6

ピースダウンの白は、矢印が示すように中央を支配しており、両方のビショップも展開しやすい状況です。しかし、黒にd7-d5という手を許してしまうと中央にプレッシャーをかけられてしまい、黒の白マスビショップが展開しやすくなるので展開の差をつけることもできませんね。黒にはここで5...Ng6と指す変化もあり、6.e5 Ng8 7.Bc4と続くのが一般的です。

Analysis diagram after 7.Bc4

白は黒ナイトを初期位置に押し返し、白マスビショップを使って死のマスであるf7の地点にプレッシャーをかけます。ここでの黒のおすすめは7...d5!とポーンを捨てる一手。

7...d5! 8.Bxd5 Nge7

Analysis diagram after 8...Nge7

8.Nxd5では8...Be6と駒交換を強制されてしまい、8.exd6とアンパサンをしても8...Bxd6と取り返されるだけなので白はビショップで取る一手ですが、黒は8...Nge7とナイトを展開しながらビショップを攻撃し、将来的にf5に飛んでd4のポーンにプレッシャーをかけにいきます。白にはf3のナイトがないため、d4の守りが薄くなっているのが分かるでしょうか。では、5...Nc6と進んだ本譜を見ていきましょう。

6.d5 Ne5?!

Diagram after 6...Ne5?!

6...Ne5は客観的に見れば悪い手ではなく、5...Nc6から派生するメインの変化です。ベストムーブと言っても過言ではありません。しかし、6...Ne5から黒は正確な手を続けて指す必要があり、黒が数手後に指した手を見ると黒はここから進む変化を知らなかったのだと思います。つまり、6...Ne5は実戦的なミスだったと言えるでしょう。ここでは、6...Bb4と指し、有名な変化にトランスポーズ(同じ局面に、違う手順で到達)することができました。

6...Bb4!? 7.dxc6 bxc6

Analysis diagram after 7...bxc6

この局面は、1.e4 e5 2.Nf3 Nc6 3.d4 exd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 Bb4 6.Nxc6 bxc6とスコッチ・ゲームという有名なオープニングから派生する変化とまったく同じ局面です。黒が1.e4 e5プレーヤーならこの変化に遭遇したことがある可能性が高く、6...Ne5より6...Bb4としてこの局面に到達した方が指しやすかったのではないでしょうか。知らない変化に誘導された時に、トランスポーズを使って自分が知っている変化に戻すというのは、非常に効果的な作戦です。では、本譜に戻りましょう。

7.f4 Ng6 8.e5 Qe7?

Diagram after 8...Qe7?

8...Qe7はe5のポーンをピンし、f6のナイトを初期位置に戻さず、次にNxe5とピースを切り返しながらポーンを二つ取る手筋などを用意する非常に自然な一手ですが、これが致命的なミスでした。黒のベストムーブは8...Ng8とナイトを逃がす一手。

9.Qe2! Ng8 10.d6!!

Diagram after 10.d6!!

白もクイーンをe2に持ってきて、ピンを外すことで黒に9...Ng8とナイトを初期位置に戻させました。そして10.d6!!が黒の息の根を止める一手!この手はクイーンを攻撃するだけでなく、d5のマスを開けることによってNd5という手を可能にしています。d6のポーンとd5のナイトに攻撃される位置である、e7のマスにクイーンを動かしたのは大失敗でした。

10...cxd6 11.Nd5 Qd8

Diagram after 11...Qd8 白番次の一手は?

黒はクイーンを初期位置に戻し、必死にc7のマスを守ります。ここで12.exd6+とする手でも問題なく勝てるでしょうが、12...Be7 13.Nc7+ Kf8 14.dxe7+ Ngxe7 15.Nxa8と進むと白はa8のナイトを生還させることに頭を悩ませなければいけません。白がここで指した手は、安全に駒得することができる一手。その手は何か、この記事を読んでいる皆さんは分かりますか?

12...Be7 13.Nc7+ Kf8 14.dxe7+ Ngxe7 15.Nxa8

Analysis diagram after 15.Nxa8

12.Nc7+!!

Diagram after 12.Nc7+!!

一見守られてるように見えるc7のマスにナイトを飛び込むこの手が絶妙手!ナイトを取られても、exd6+とディスカバードアタックをかけながらクイーンを取ることができます。黒はこれを取らずキングを逃がしましたが、それで白の攻めが止まるわけがありません。

12...Ke7 13.exd6+ Kxd6 14.Ne8+ Kc6 15.Qb5#

Diagram after 15.Qb5#

ナイトがタッチダウンを決め、キングの逃げ道を奪った後に15.Qb5でチェックメイト。自分が最初にこの終局図を見た時は、一体何が起きたのだろうと凄く驚きました(笑)。では、この試合から学べることを少しまとめてみましょう。

  • ハロウィン・ギャンビットフォーナイツ・ゲームから派生する、白がナイトを犠牲にしながら中央の支配を目指すオープニング。
  • ハロウィン・ギャンビットは黒が正確に指せば黒優勢となり、トーナメントなどといった真剣な勝負では不発に終わりやすい。
  • ハロウィン・ギャンビットはスコッチ・ゲームにトランスポーズする可能性を秘めている。
  • 知らない変化に誘導された時は、トランスポーズを使って知っているオープニングに戻せないかどうかを模索する。

今回の解説は以上です。また次の記事でお会いしましょう!

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