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実戦解説:ロンドン・システム

Rochan_to_Danke
Nov 23, 2014, 2:42 PM 5

皆さんこんにちは!今日も、自分が某チェスサイトで見つけた面白い試合から色々と学んでいこうと思います。この試合は、持ち時間10分+1手5秒加算で行われました。

Anonymous (1720) VS Anonymous (1957)

1.d4 Nf6 2.Nf3 e6 3.Bf4

Diagram after 3.Bf4

1.d4から始まり、ビショップをf4に展開するこのオープニングの名前はロンドン・システム。白がe2-e3と指す前に黒マスビショップを展開することで、そのビショップを強力な斜線に配置するのが特徴です。ロンドン・システムでは白はe2-e3と指し、白マスビショップをe2またはd3に、b1のナイトをd2へと展開するのが一般的な指し方です。中央を支配し、駒を展開し、キャスリングが早くできるロンドン・システムは非常に指しやすく、初~中級者のプレーヤーには特におすすめの定跡だと言えるでしょう。

3...b6 4.e3 Bb7 5.Bd3 Be7

Diagram after 5...Be7

黒は白マスビショップをクイーンサイドにフィアンケットすることで、中央の重要なマスであるe4を睨みながらe6のポーンが白マスビショップの展開の道を塞いでいたという問題を解消しました。両者とも駒をしっかり展開していて、キャスリングの準備も整っており、序盤ですべきことをちゃんと意識して指しているということが分かります。

6.Nbd6 d6 7.c3

Diagram after 7.c3

白は7.c3と指し、d4のポーンの守りを更に強化しました。d4のポーンが固く守られていることによって黒は中央を開きづらく、中央が開かなければ中央にいる白キングが速攻をかけられることはありませんね。白はキングサイドとクイーンサイド、どちらにもキャスリングができる準備を整えながら、隙を見てh2-h4からキングサイドへの攻撃の手筋も狙っています。このような柔軟な指し方ができるのが、ロンドン・システムの魅力の一つと言えるでしょう。

7...Nbd7 8.Qe2 0-0 9.h4

Diagram after 9.h4

駒を全て展開してキャスリングを済ませた黒に対し、白は9.h4と指すことでクイーンサイドにキャスリングをし、矢印のようにポーンストームをかけるぞという意思を表しました。堅実な指し方である9.0-0と比べ、この手は相手にプレッシャーをかけることでミスを誘う、実戦的な一手だと思います。

9...c5! 10.Nc4 d5?!

Diagram after 10...d5?!

黒の9...c5は中央を開こうとするだけでなく、クイーンサイドのポーンを伸ばすことで白が将来的にクイーンサイド・キャスリングを行った際にポーンストームをかける準備もしていますね。そして守りが手薄になったd6のポーンを狙う10.Nc4に対して黒が指した手は10...d5。この手はポーンを逃がしながらナイトを攻撃しているものの、b7のビショップの斜線を塞ぎ、c4のナイトにe5という絶好のマスを与えてしまいます。クイーンをビショップの斜線に置くのは怖いですが、ここでは10...Qc7と指すべきだったでしょう。

10...Qc7

Analysis diagram after 10...Qc7

黒はd6のポーンを守りつつ、クイーンをcファイルに配置することで白にクイーンサイド・キャスリングをさせにくくしています。次にb6-b5とc4のナイトを追い返してからクイーンの斜め利きを利用してe6-e5と指せば、黒は中央を開くことができるでしょう。白はいつまでもキングを中央に置いておくことはできず、黒のポーンストームの準備が整ったクイーンサイドか、h2-h4と突いてしまったキングサイドにキャスリングするか、苦渋の選択を強いられることになります。では、10...d5と進んだ本譜を見ていきましょう。

11.Nce5 Nxe5 12.Bxe5 cxd4 13.exd4 Ne4

Diagram after 13.Ne4

黒はナイトをe4に据え、白の白マスビショップの斜線を塞ぐことで攻めと止めようとしています。次にf7-f5とe4のナイトを更にサポートする手や、Bd6やBf6として駒を交換し、攻めを緩和する手も狙っていますね。

14.Ng5!

Diagram after 14.Ng5!

14.Ng5はe4のナイトにプレッシャーをかけ、黒キングに迫る超攻撃的な一手です。黒は14...Bxg5から15.hxg5 Qxg5とポーンを取ることができますが、白は開いたhファイルから更なる攻めを狙うことができますね。e6のポーンを攻撃しているため、黒はf7-f5と指すことができないのもポイントです。

14...Bxg5 15.hxg5 Qxg5 16.Rh5?!

Diagram after 16.Rh5?!

16.Rh5は黒クイーンにg2のポーンを取らせ、開いたh、gファイルから攻めを狙う一手ですが、さすがに二つ目のポーンを取らせるのはやりすぎでしょう。ここは16.g4と指し、gポーンを守ってからRh5と黒クイーンを攻撃するのが良かったでしょう。

16.g4!

Analysis diagram after 16.g4!

白はポーンダウンですが、二つのビショップと開いたhファイルからの攻撃が非常に強力で、十分過ぎる代償があると思います。黒は白マスビショップが斜線を完全に塞がれており、f2-f3とe4のナイトを攻撃される手も心配しなくてはいけません。この局面は、白がずっと指しやすいでしょう。では、本譜に戻りましょうか。

16...Qxg2 17.0-0-0 Qxf2??

Diagram after 17...Qxf2?? 白番次の一手は?

ポーンを取り、クイーンをぶつけることによって攻めを緩和しようとする17...Qxf2はとても自然な一手ですが、白の応手を完全に見逃していました。黒は17...f6と指し、黒マスビショップを攻撃しながらキングの逃げ場所を作る必要があったでしょう。

18.Rxh7!

Diagram after 18.Rxh7!

白はクイーンへの当たりを無視し、ルークを敵陣に切り込ませます!黒は18...Kxh7とこれを取りたいのですが、そうするとe4のナイトがピンされてしまうため、19.Qxf2とクイーンを取られてしまいます。18.Qxf2!!という手も勝ちを引き寄せる一手で、客観的にはそちらの方が強力な一手なのですが、実戦的には18.Rxh7とするのが一番分かりやすいでしょう。

18...Qxe2 19.Rxg7+! Kh8 20.Rh1+ 1-0

Diagram after 20.Rh1+

白はクイーンを取り返さず、19.Rxg7+と攻めを続け、20.Rh1+と黒に投了を余儀なくさせました。黒は二つ目のポーンを取るところまではうまくいっていたのですが、3個目のポーンをとったのはやりすぎでしたね。では、この試合から学べることを少しまとめてみましょう。

  • 1.d4から始まり、ビショップをf4に展開するオープニングをロンドン・システムと呼ぶ。
  • ロンドン・システムは指し方が分かりやすく、初~中級者に特におすすめ。
  • 状況に応じて柔軟な指し方ができるのが、ロンドン・システムの魅力。
  • 相手にプレッシャーをかけることでミスを誘うのは、実戦的な作戦の一つ。
  • 駒をただ取りできる時は、相手の応手を何度も確認する。

今回の解説は以上です。また次の記事でお会いしましょう!

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