実戦解説:ルークエンディング

Rochan_to_Danke
FM Rochan_to_Danke
Oct 30, 2014, 4:20 PM |
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皆さんこんにちは!

今回は、昨日某サイトで自分が指したブリッツの試合で出てきたルークエンディングが面白いと思ったので、それを解説していきたいと思います。

Shin VS Anonymous (2155)

Diagram after 28...Re7

この局面では白はポーンアップ。d5のパスポーンも強力に見えますが、黒はeファイルを支配しており、次にRe4+として白のキングをd5の守りから外す狙いや、Re2としてh2のポーンを狙う手筋も存在します。例えばもしここで白が29.Rc5とし、d5のポーンを守った場合はどうでしょうか?

29.Rc5 Re4+ 30.Kd3 Re7!

Analysis diagram after 30...Re7!

黒は30...Re7!とするのがうまい手で、7段目を守ることにより将来的な白のRc7からの攻撃を防いでいます。d5のポーンを守るために白のルークは5段目を離れることはできず、d5のポーンの守りを強化する31.Ke4に対しては31...Re4+と戻り、31.Kc4に対しては31...Re2!とh2のポーンに対してプレッシャーをかける手が好手。31.Kc4 Re2 32.Rc8?と進んだ場合は、黒はタクティクスを使って駒得することができますね。タクティクスが見えないと言った方のために、記事の終わりに答えを書いています。

Analysis diagram after 32.Rc8?

では、最初の局面に戻りましょう。29.Rc5の代わりに、29.Rc2として2段目を守るのはどうでしょう。しかしこの手に対しても、黒は同じように29...Re4+ 30.Kd3 Re7!とすることができます。

29.Rc2 Re4+ 30.Kd3 Re7!

Analysis diagram after 30...Re7!

こちらも7段目を守られ、d5のポーンに紐がついていないので、31.Kd4に対し31...Re4+と戻ることで、黒は楽にドローに持ち込むことができるでしょう。30...Kxd5?と指すと、31.Rc7と7段目にルークを侵入され、b7のポーンかg7のポーンが落ちてしまいますね。では、本譜で白はどう指したのかを見ていきましょう。

29.Rc8!

Diagram after 29.Rc8!

d5のポーンや2段目を見捨て、8段目にルークを侵入させて攻撃を狙う29.Rc8が絶妙手。ルークエンディングをうまく指しこなすコツは、ルークをアクティブに使うことです。ポーンを一つ捨ててでもルークの動きを活性化した方がいいということは、ルークエンディングではよくあること。例えば前述の二つの変化では、c5のポーンや2段目の守りに使われていたパッシブな白ルークと、eファイルからカウンターを仕掛けていったアクティブな黒ルークの差が、ポーンアップの差を埋めていましたよね。c8にいるルークはRd8+として後ろからチェックをかける手や、Rf8としてf5のポーンを攻撃する手を狙っています。

29...Re4+ 30.Kd3 Re7 31.Rd8+ Kc7 32.Rf8

Diagram after 32.Rf8

黒は30...Re7と指して先ほどの変化と同じように7段目を守りましたが、8段目にいるルークはf5のポーンを狙うことができます。ここで黒がf5を守るオンリームーブは32...g6ですが。。。

32...g6 33.Rf6!

 

Diagram after 33.Rf6!

白は6段目にルークを据え、g6のポーンを攻撃しながら黒キングを7段目以降に押し込めます。黒は、キングとルークをフォークされるd6+もケアしなければいけません。

33...Rd7 34.Kd4!

Diagram after 34.Kd4!

34.Rxg6とポーンを取る手も可能ですが、34...Rxd5+とされると相手のルークをアクティブに使われ、カウンターを許す可能性があります。34.Kd4はd5のポーンを守りカウンターを消すだけでなく、将来的にKe5-Kf6とキングを侵入させる狙いもありますね。駒が少ないエンディングではチェックメイトをされる危険性が低いため、キングをアクティブに使うことも重要になってきます。将来的な侵入ルートがある白キングと、7段目から前に出れない黒キングの働きの差は、一目瞭然でしょう。今回のケースでは、白はルークをアクティブに使ったことで、キングの働きにも差をつけることができました。

34...Rd6 35.Rxd6 Kxd6 36.a4

Diagram after 36.a4

駒の働きの差に耐えられなくなった黒は34...Rd6とルークの交換を仕掛けましたが、白はこれを取ってポーンアップのポーンエンディングに持ち込み、36.a4の後、難なく勝利しました。ではここで記事を読んでいる皆さんに質問です。

1.もし白が36.a4ではなく36.h4と指していたら、黒はどう指すべきでしょうか?その後、お互いが最善手を指し続けた場合、結果はどうなるでしょう?

2.ではもし白が36.h3と指していたら、黒はどう指すべきでしょうか?その後、お互いが最善手を指し続けた場合、結果はどうなるでしょう?

では、最後にこの試合から学べることをいくつかまとめてみましょう。

  • ルークエンディングのコツは、ルークをアクティブに使うこと
  • 例えポーンダウンでも、ルークの働きの差でポーンの差を埋めることができる。
  • エンディングでは、チェックメイトされるリスクが低いため、キングをアクティブに使うことも重要。
  • ポーンアップのポーンエンディングでも、油断せず正確に指すことを心がける。

今回の解説は以上です。また次の記事でお会いしましょう!

タクティクスの答え: 32...Rc1+!とスキュアー(串刺し)を決め、ルークを取ることができる。

Analysis diagram after 32...Rc1+!