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2017 東京オープン

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2017/10/16 7:25 0

東京オープン3日コースに参加してきました。

3-5RがByeで、その間福島旅行に行くという強行日程でした。

結果は1勝1敗1分と、可もなく不可もない成績でした。しかし公式戦でほぼ1年間勝ち越しの成績を収めていないので、そろそろ勝ち越しを狙っていきたいところです。

 

自戦記として、最終ラウンド(6R)の1局について書こうと思います。私は白番です。

1. e4 e6 2. d4 d5 3. Nd2

 

 French DefenseのTarrasch Variationです。OTB大会では(とりわけ大学生の方と当たるときには)French Defenseになることが非常に多いため、Tarrasch Variationの研究は深めに追っています。

 

3. Nd2に対する 黒の応手としては、

3... Nf6 (Closed Tarrasch Main Line)

3... Nc6 (Guimard Variation)

3... c5 4. exd5 cxd5 (Open Tarrasch, Delayed Exchange Variation)

3... c5 4. exd5 Qxd5 (Open Tarrasch, Eliskases Variation)

等があり、どれも深く研究されています。

白としては、Closed VariationとOpen Variationで白マスビショップを展開する場所が異なることを知っておくことが重要です。基本的にはClosedはd3、Openはb5かc4に展開します。

 

本譜は、

3... dxe4 4. Nxe4 Nd7と進みました。

 これはRubinstein Variationと呼ばれる変化で、なじみ深い手順は1. e4 e6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4という手順で合流するものです。

もちろんWinawerと並んで、Frenchの主流手順です。GM Pelletierがよく指すラインです。

 

5. Nf3 Ngf6 6. Bg5!?

 

やや珍しい手で、Burn Variationにも似た手です。ふつうは6. Nxf6。

 

6... Be7 7. Bxf6!? Nxf6 8. Bd3

普通は7. Nxf6。わざわざ黒にダブル・ビショップを与えることはありません。

8. Bd3までの手順

さて、対局中にこの局面の評価をしました。

見たところ、センターはOpen Sicilianに似ています。センターポーンをひとつ失った代わりに、ナイトがセンターに居座り、マイナーピースがアクティブに働けます。

そうなると、スペースアドバンテージを生かして駒を前に出し、あわよくばキングサイドアタックを狙っていくというプランが(シシリアン同様)有効ではないかと考えました。

実を言うと、Open Sicilianの白番やFrenchのように、スペースアドバンテージをポジショナルアドバンテージに変換し、ポジショナルアドバンテージをキングサイドアタックに変換するゲーム進行は私が好きな進行です。自分の棋風と局面の要請が合っていたため、全局にわたってのびのびと指せたのだと思います。

 

 8... Bd7 9. Ne5 h6

9. Ne5はしばらく考えました。というのも、d4ポーンが浮くので一瞬怖いためです。ただし、すぐにdポーンの弱点は付かれないと考え、Ne5を指しました。

データベース上では9... h6は新手です。9... O-Oもあるようです。

 

10. c3 O-O 11. O-O a6

手元の棋譜には、11手目のO-Oに「80分」と書かれています。タイムコントロールが90分+30秒/手なので、ちょうど15分使った計算になります。

次の手を指して、やや指しやすさを感じました。

12. Qe2

12. Qe2までの手順

この手の効用は3つあります。

  • ルークを繋げ、今後好ましいファイルにルークを回せる。
  • 後手からの12... Bb5を防ぐ(12... Bb5?! 13. Nxf6 14. Bxb5 axb5 15. Qxb5はポーンダウン)。
  • 後手からの12... Nxe4を防ぐ(12... Nxe4? 13. Qxe4 f5(メイトを防ぐ) 14. Qxb7 Rb8 15. Qxa6 +-)

12... Nd5として13... Nf4を狙う手に対しては、

12... Nd5 13. f4

と、ルークの効きをf4まで伸ばしてしまえばナイトがf4に来られません。

 

13... Qe8 14. Rae1

局後の検討では、13... Qe8は13... Be8のほうが良いかもしれない(ナイトを切る手がなくなるため)、とのことでした。

このあたり、黒f6に対する攻防になっています。つまり、

13... f6 14. Ng6! +-なので、Ng6をさせない意味での13... Qe8(13... Be8も同じ意味)

13... Qe8だと次に14... f6 (15. Ng6?? Qxg6)が来るが、14. Rae1としておくと14... f6? 15. Nxd7 Qxd7 16. Nd2!でeポーンが落ちるため、f6をさせない意味での14. Rae1

 

このあたり腹の探り合いという感じがして、ポジショナルプレーの一番楽しいところと思いますがいかがでしょう。

14... Bd6 15. a3!? Bxe5 16. fxe5

15. a3は狙いがはっきりしませんが、いちおう

  • 黒ナイトはf6に戻りづらい(戻るとNxf6から空いたスペースにQe4と入って一気に危なくなる)
  • そのためc4と突きたい。ただしすぐ突くとNb4と入られるため、b4マスを支配しておきたい。

という狙いがあります。ただし少しぬるい手であり、コンピュータは15. g4!を推奨します。この局面でそこまでするか、という手ですが。

16. fxe5までの局面は、駒の損得こそないものの白のピースの効きが敵陣に直射しており、攻撃好きには気持ちの良い局面だと思います。ただここから少し白がフラフラします。

16... b5 17. Rf3?! Ne7 18. Rg3? Kh8! 19. Rf1

きっちり受け切られているような気がして、いろいろぼやきながら指していたような気がします。

正解はこの辺りNf6!とサクリファイスする手で、ほぼ常に成立しています。

例えば 18. Nf6+! 18... gxf6は19. Qd2からメイトがあるのでクイーンを捨てざるを得ず、19. Nf6! gxf6もメイトです。これはクイーンを逃がせるのでまだまだ難しいですが。

 19... Nf5 20. Rh3 Qe7 21. g4

21... Nh4 22. g5? Nf5 23. gxh6

まだ難しい、まだ勝ちではないと言い聞かせながら指していました。相変わらず怪しい手を指しています。

23... Nxh6 24. Qe3 Kg8 25. Nf6+ 1-0

24. Qe3のQuiet Moveを見つけられて、やっとメイトが見えてきました。25. gxf6が簡単にメイトなので25... Qxf6しかなく、駒損が大きいです(いちおう、25... Qxf6でもMate in 6らしいです)。

 

総じて、ポジションで優位に立ったあとのアタックがうまくなく、勉強不足を痛感しました。特に長いタクティクスに弱点があることがわかりました。

 

次はジャパンオープンに出るつもりですが、11月3日は大事な予定があるので、1-2RをByeにするか1日コースに出るかです。まだどちらにするか悩んでいます。

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