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Anti-Korchnoi Gambit Line

support_scalar
2018/01/03 0:37 0

年末年始はブログ更新が捗りますね。support_scalarです。

今回はKorchnoi Gambit外し、つまりAnti-Korchnoi Gambitラインを見ていきます。

 

Korchnoi Gambitは正しく指せば黒悪くはならないのですが、キャスリングが遅れる、全体的にスペースアドバンテージがない等、黒にも嫌な部分はあります。

そのため黒からKorchnoi Gambitを避ける手も定跡化されています。d4ポーンを取らず、キングサイドのポーンを突くことでキングサイドアタックを緩和するというのが主なプランになります。

 

1. e4 e6 2. d4 d5 3. Nd2 Nf6 4. e5 Nfd7 5. Bd3 c5 6. c3 Nc6 7. Ngf3!?でKorchnoi Gambitとの境目になります。ここで7... Qb6 8. O-O cxd4とすればKorchnoi Gambitのメインラインですが、dポーンを取りにいかないことも黒は可能です。

Position after 7. Ngf3!?

 

(1) 7... cxd4 8. cxd4 f6

Closed Tarraschの7. Ne2 メインラインと同じように進める場合。ちなみに、Mikhail Talが9. Ng5!? fxg5 10. Qh5+ g6 11. Bxg6+!?とやっていますが、成立しているかは微妙なところ。

実際、メインラインと同様に進めるとどうなるのか。以下で見ていきます。なお、本稿においては7. Ngf3から派生する局面を「7. Ngf3型」、7. Ne2(Main Line)から派生する局面を「7. Ne2型」と呼びます。

7... cxd4 8. cxd4 f6 9. exf6 Nxf6 10.O-O! Bd6で下図。

Diagram After 10... Bd6

Tarrasch Main Lineでは10. Nf3と指すところ、すでにf3にナイトがいるので10.O-O!とできます。

ここで、Tarrasch Main Lineと比較してみましょう。少し長いですが、11. O-Oまで下のとおりです。

Diagram After 11.O-O

上(7. Ngf3)と下(7. Ne2)を比較すると、どうでしょうか。似た局面ですが、違いを理解してそれぞれ個別のプランに結び付けることが重要です。

違いは白ナイトの位置と手番ですね。

 7. Ngf3型はNd2、7. Ne2型はNe2にナイトがいます。そのため、7. Ngf3型ではeファイルがハーフオープンになっていて、かつルークをすぐに敵陣に直射させられる陣形になっています。

加えて、手番は7. Ngf3型が白、7. Ne2型が黒になっています。このことを考えると、7. Ngf3型のほうが白は攻勢を取りやすいと言えるでしょう。

次に黒の陣形について考えます。黒の陣形としては、e6ポーンが弱くなっているが、ハーフオープンになったfファイルにルークを配備しつつキャスリングする手が可能です。そのため、黒も十分反撃はできるといえるでしょう。

 上記の検討から、7. Ngf3型では、11. Re1と指し、黒のfファイルからの反撃が来る前にeポーンにプレッシャーをかけていくことが可能です。例えばそのあとはNb3, Qe2のような陣形を作り、eポーンを狙って指せば白指しやすいでしょう。

逆に黒は、7. Ngf3を相手にメインラインと同じ指し方をする際には、同じプランで指してはいけないということがわかると思います。

 

(2) 7... Be7 8. O-O g5!

割と意外性の高いプランです。というのは、ここで黒は、通常のFrenchのラインではあまり採用されることがない、キングサイドにプレッシャーをかけるプランを選択しているからです。このプランは、全体的に非常な乱戦になります。GM Nakamura、GM Volkovが黒を持ってしばしば指すラインでもあります。

さて、この手に対する対策はどうするのがいいのでしょうか。

7... Be7 8. O-O g5! 9. dxc5

Frenchでは珍しく、白からcポーンを取ります。白のセンターポーンは崩壊しますが、代わりに盤面全体にプレッシャーをかけることでバランスを取ります。

9... Ndxe5 10. Nxe5 Nxe5 11. Nb3!

この場所に居座ったナイトが容易に取られないため、c5のポーンも守られるというのが主張です。

11... Nxd3 12. Qxd3

この後は白は盤面全体の黒マスを抑えるためにf4突きを狙い、黒はそれを妨害する、というプランに沿って手順が進みます。なので12... e5!が良い手。黒がダブルビショップを持っているのに対して白はナイト+ビショップを持っているため、白としてはなるべくクローズな局面にすることが肝要です。

 

French Tarraschの7. Ngf3型は、鉱脈も多く残っている面白い戦型だと思います。French対策として、十分考慮に値する定跡ではないでしょうか。

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