百傑戦2018

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2018/03/11 7:37 |
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3/10-3/11に行われた百傑戦に参加してきました。結果は3.0/6.0(W:2, D:2, L:2)でした。千葉県選手権でも同じことを書いた記憶がありますが。

 

去年の百傑戦(2.5/6.0)よりはポイントは取れていますが、今回はレーティングが上の方からポイントを取れなかったということで、褒められた内容ではありませんでした。精進するのみです。

欠点としては、やはり手の見落としが多いです。それも読むべき手が丸ごと抜け落ちている類の見落としです。ただし手拍子で指しているわけではなく、時間を使って考えたにも関わらず候補手が抜けている、ということがままありました。

 

ただし自分が良く指す形(白番のFrench Tarrasch等)については候補手をしっかり考えられて指せたので、より経験を積んでパターン認識力を高めることでしか身につかないのかもしれないと思っています。

次はゴールデンオープンに出るつもりなのでそこまでに何とか出来ればと思っています。

 

最後に自戦記を。今大会中ではわりとよく指せたほうのゲームだと思っています。

[Event "2018 Hyakketsu"]

[White "antilles"] 

1. e4 e6 2. d4 d5 3. Nd2

いつもの。3. Nc3でセオリーの戦いに持ち込みたくないというのと、Open Variation(3... c5)の白番を得意にしていてClosed Variation(3... Nf6)には「秘密兵器」があるというのがあります。

3... c5 4. cxd5 Qxd5

ここは細かいですが分岐点で、4... exd5もあるところです。3... Nf6, 4... exd5, 3... Nc6!?等、黒からの分岐が多いのがTarrasch Variationの特徴です。それぞれある程度指し方が異なり、全部に対応しないといけないので白は少し大変かもしれません。

Diagram After 4... Qxd5

5. Ngf3 cxd4 6. Bc4 Qd6

6... Qd8 (Eliskases Variation)もあります。本譜のほうがメインラインと思います。

7. O-O Nf6 8. Nb3 Nc6

得しているポーンを守ろうとしてうっかり8... e5??9. Nxe5!9. Re1等があります。

 9. Nbxd4 Nxd4 10. Nxd4

このあたりまで、French Defense, Tarrasch Variation, Chistyakov Variation, Modern Lineという定跡です。この後細かいですが分岐があり、10... a610... Bd7に分かれます。後者は黒がロングキャスリングを目指した手で、決して悪くはならないのですが、圧倒的に多いのは前者です。

Diagram After 10. Nxd4

 

10... a6! 11. Re1 Be7

ここでは11... Qc7 12. Bb3 Bd6 13. Nf5!?がよくある形です。白ナイトをd4-f5-g7と使っていくのが有名な変化で、騎兵の突撃に対して正しく対処しないと黒はあっという間に悪くなります。

ちなみにその複雑な変化を避けたければ11... Qc7 12. Qe2でも白十分です。このあたりNf5ができないので定跡を間違えたかと思っていましたが、サイドラインに入っただけでした。

12. c3 O-O 13. Qf3 Qc7 14. Bb3 Bd7 15. Bf4 Qb6 16. Nf5!?

実はこのあたりまでグランドマスターの実戦がある形です。

Diagram After 16. Nf5!?

16... exf5

というわけでこの手が新手です。しかし、Stockfishは実戦例の16... Bd8よりも16... exf5を好んでいます。

17. Rxe7 Bc6 18. Qe2

センターが開くタイプのFrenchでは、Qe2というのが好位置になることが多いです。

18... Ne4!?

局後の検討では、この手がどうだったかということになりました。e7のルークを孤立させて気分が良い手ですが、白にダブルビショップの優位性を主張させることになります。代わりに18... Nd5!として、19. Bxd5から異色ビショップの中盤戦にした方が良かったかもしれないという検討でした。

19. Rd1

白の狙いはBe3ですが、Be3に対してQd8と引かれると面白くないので、先にd8のマスを押さえておきます。

19... Rae8

e7のナイトを孤立させるための18... Ne4だったので、自然な継続手です。

20. Be3!?

狙いを達成しましたが、実は不正確な手です。というのも、20... Nxc3!!という手があり、以下21. Bxf7! Rxf7 22. Rxe8 Bxe8 23. bxc3 Qe6等で白の優位は消え去ります。(ただ、実戦の中で20... Nxc3!!を読み切るのは並大抵ではありませんが)

Diagram After 20. Be3!?

20... Qa5 21. Rxe8 Rxe8 22. Qc4

f7地点に圧力をかけます。クイーン、ルーク、ビショップ2つがオープンなラインを抑えており、個人的には好みの展開です。

22... Rf8

白のプランは、f7を狙い続けることです。そのために、f7を守るピースを動かすことを考えます。

  • f8にいるルークを動かしたい。
  • そのためには、ルークより価値の低い駒でルークを狙うのが効果的。
  • Bc5とできれば、ビショップでルークを狙える。今はe4のナイトが守っているためにできない。
  • e4のナイトを動かすことを考える。

ということで、

23. f3

に帰結します。

23... Nf6 24. Bc5

プランに従った手です。

24... Bb5 25. Qd4

24... Bb5を見て、プランを切り替えます。今度のプランはd8を含む黒マス全体の支配です。(ちなみに局後に指摘されて気づきましたが、この局面は25. Bxf8と25. Bb6のダブルスレットになっています。)

25... Be2

タクティクスがあります。見つけましょう。

Diagram After 25... Be2

26. Bxf8! Bxd1 27. Bb4!

(好手という意味ではなく、タクティクスの正解という意味での「!」マークです。)これでビショップ得になります。

27... Qc7 28. Qxd1

ピースアップしてから丁寧に指せるかどうかは非常に重要です。

28... h6 29. Qd6

方針として、優勢側はピースを交換する、劣勢側はポーンを交換する、というものがあります。

クイーンさえ交換してしまえば、白に恐れるものはありません。

29... Qc8 30. Qe7 Qc6 31. Qxf7+ Kf8

最後の一手も大事です。

Diagram After 31... Kh8

32. Bf8! 1-0

受けるとしたら32... Qd7ですが、以下33. Bxg7+ Kh7 34. Bxf6+ Qxf7 35. Bxf7です。