Italian Game, Two Knights, 6... Bd7!?

support_scalar
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2017/12/29 5:58 |
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こんにちは。support_scalarです。

今日のテーマはItalian Gameから、1つ面白い定跡を。

 

黒番で1... e5を指すプレーヤーにとって必ず考える必要があるのが、Italian Gameに対する対策ではないでしょうか。白番を持ったプレーヤーが攻撃的なプレーヤーであるほど、Italian Gameをチョイスすることが多いと思います。

そこで、ひとつ黒番からItalian GameのMain Lineを外す定跡を紹介しようと思います。あまり有名な変化ではないですが、調べてみると面白いサイドラインでした。

 

 1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bc4

Italian Gameです。黒の弱点f7を狙う位置に、ビショップを展開します。

3... Nf6

黒には大きく分けて3... Bc5と3... Nf6という手段があります。前者はGiuoco Pianoと呼ばれ、イタリア語で「静かなゲーム」の名前の通り落ち着いたポジショナルなゲームになります。ただし白が4. b4! (Evans Gambit)を指さないという条件付きですが。

4. Ng5!

同様に、f7を狙う位置にナイトを跳ねます。黒は何とかしてf7を受けなければなりません。

4... d5 5. exd5

ほかの手としては4... Bc5 (Traxler Variation)ですが、あまりおすすめしません。

5... Na5

実はここは手が広いところで、5... Nxd5 6. Nxf7! (Fried Liver Attack), 5... b5(Ulvestad Variation), 5... Nd4(Fritz Variation)等があります。最も手堅いのが5... Na5です。ナイトが端に飛ぶのは序盤ではよくないとされていますが、ここでは定跡になっています。

6. Bb5+

ビショップを逃がしながらチェックします。ここでMain Lineは6... c6としてポーンを1つ捨て、かわりに展開の早さで勝負します。Main Line以外の手として面白い手があり、それを紹介します。

6... Bd7!?

白の白マスビショップは強力なので、黒の白マスビショップと交換してしまいます。そのうえd5のポーンを白が守ろうとすると白陣が乱れるため、d5のポーンはじきに取り返せます。また、白がナイトを展開しようとNc3という手を指すと、d4が一時的なナイトのアウトポストになります。黒はa5-c6-e4というルートでアウトポストにナイトを配置しようと動きます。

 

6... Bd7は上記のようなプランに基づいた手です。

 

(1) 7. Bxd7

7. Bxd7とされた場合には、7... Qxd7! 8.O-O! (8. Nc3? Nxd5! =) O-O-O!のように続きます。8... O-O-O!がなかなか馬鹿にできない手で、やや白が押し気味ですが黒は十分耐えられる局面かと思います。

 

(2) 7. Qe2

Modern Chess Openings(MCO)に載っているのが7. Qe2! Bd6のライン。ただし、7... Bd6のラインは8. Nc3 O-O 9. Bxd7 Qxd7と進んだ時に10. a3!が好手で、なかなか黒が大変です。

その代わりのラインとして、7... Be7!があります。白の主な手としては、8. Nc3, 8. Bxd7+, 8. Nf3が主なものです。それぞれ順にみていきます。

(2-1) 7. Qe2 Be7 8. Nc3

8. Nc3であれば、黒は8... Bxb5! 9. Qxb5+ c6 10. dxc6 Nxc6程度でも十分です。

(2-2) 7. Qe2 Be7 8. Bxd7+

8. Bxd7+もそんなに黒は困っていません。8... Qxd7 9. Qxe5?は、白のクイーンサイドの駒展開が遅く、黒優勢ですし、8... Qxd7 9. c4 Nxd5! 等もあります。

 (2-3) 7. Qe2 Be7 8. Nf3!

一旦跳ねたナイトを戻す8. Nf3!が相当黒にとっては難しい手です(知らないと指せない手ではありますが)。8... O-O 9. Bxd7 Qxd7 10. Nxe5 Qxd5 ∞のように続き、白のポーン得か、黒の展開かという勝負になります。

 

 このように、割と黒にとっても面白い形になりますし、白がItalianのメインラインか、5手目からの分岐のみを覚えている場合には有効な手であるともいえます。白が正確に対応しても黒は悪くならない(白のFirst Move Advantageが残るだけ)ので、定跡としても十分成立していると思います。