Tata Steel観戦

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2019/01/18 21:33 |
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現在、チェス界で最も豪華なトーナメントの一つといえる、Tata Steel Chess Tournamentが開かれています。

https://www.tatasteelchess.com/

このトーナメントは、Tata Steelという製鉄企業がスポンサーになっている、1年に1度、1月にオランダで開かれるチェストーナメントで、「チェスのウィンブルドン」とも呼ばれるように、トッププレーヤーが競い合うことで知られています。

今年で81回目を迎える、と言われていますが、これは前身のトーナメントから通算で数えた場合の回数です。以前はHoogovens、そのあとにはCorus Tournamentと呼ばれていました。これはスポンサーであった製鉄企業の合併等により、社名が変わっていったことに由来します。

プレーヤーはいくつかの組に分かれ、その組の中で総当たり戦を行います。最も上の組(Mastersと呼ばれます)はプレーヤーの平均レーティングが2753(2019年の場合)と、極めて高いレベルで争われます。

今年は1/19現在、6ラウンドまで行われています。現在、世界チャンピオンのCarlsen、中国人として初めて世界チャンピオン挑戦者決定戦に出場したDing Liren(丁立人)、かつては日本に住んでいたこともあるAnish Giri、ロシアのプレーヤーであり、世界チャンピオン戦ではCarlsenのセコンドを務めたことでも知られるNepomniachtchiの4人がトップを走っています。

さて、Tata Steel Mastersに出場しているプレーヤーの中で、私が注目しているプレーヤーがーいます。

ポーランドの若き俊英、Jan-Krzysztof Duda(1998-)です。

Dudaは1998年にクラコフに生まれ、15歳でグランドマスターの称号を手にしています。昨年2018年にはポーランドチャンピオン、年末のWorld Britz ChampionshipではCarlsenに次ぐ2位になっているなど、実績を多く積んでいます。

私がDudaに興味を持つきっかけになったのは、2018年のDortmund Sparkassenにおける、

Nisipeanuとのゲームでした。

非常に見た目が単純ながら、的確な読みと局面の理解に基づいて指されたゲームであると感じました。特に、「バッドビショップは相手のグッドビショップと交換」「相手のポーンによって守られていないポーンを狙う」「駒得したらピース交換」など、原理原則に従った指し手が多く、自然に指して自然に優勢になる、丁寧なゲームを指すプレーヤーだと思いました。

今年のTata Steel MastersにおけるDudaは、6ラウンド終わった時点で2.5/6.0とあまり振るっていませんが、これからトップシードのプレーヤーとのゲームも控えていますが、去年のオリンピアードではMamedyarov、Anandとは引き分けていますし、World Britz championshipではNepomniachtchiに黒番で(しかも、Scheveningen Keres Attackのゲームで)勝っています。期待して後半も観戦していきたいと思います。