新年チェス大会
新年チェス大会に参加しました。結果は3.0/4.0(W:3, D:0, L:1)と上々です。
それぞれのゲームの詳細は以下のとおりです。
Round 1: 黒番、QGD Semi-Slav, Anti-Meran, 8. Be2, 1-0
Round 2: 白番、QGD Semi-Slav, Botvinnik Variation Main Line, 1-0
Round 3: 黒番、London System, 0-1
Round 4: 白番、QGD Semi-Slav, Anti-Meran, 8. Bd3, 1-0
特に意識していたわけではないですが、Semi-Slavが非常に多い大会でした。Semi-Slavは白でも黒でもかなり勝率が良いので、これからも序盤研究を進めていきたいと思います。
3Rのゲームを紹介します。私は黒番です。
1. d4 Nf6 2. Bf4
London Systemです。私は対策の形を決めてあります。
1... d5 3. e3 e6 4. Nd2 c5 5. c3 Nc6 6. Bd3 Bd6 7. Bg3 O-O 8. Ngf3 b6
London Systemに対してはこの形にするようにしています。このあとBb7-Ne4-f5などとしておけば十分戦えます。白はその前に仕掛けます。
9. e4! dxe4!?
9... Be7!がよく、10. e5に対して10... Nh5とする手を狙います。f6のナイトを交換すると黒陣はやや弱体化します。
10. Nxe4 Nxe4 11. Bxe4 Bb7
この辺りは指しづらさを感じていました。Bxd6-Bxh7+-Ng5+ですぐにゲームが終わってしまう可能性も読みましたが、Ng5に対して...Kg6!で受かることが見えたので一安心です。
12. dxc5 Bxc5 13. Qc2 f5!
これでなんとか受かります。e5のホールが気にかかりますが、すぐにはなにもないと読みました。それよりもセンターのe4のマスを支配することのほうが大きいと読みました。
14. Rd1 Qe8 15. Bd3 Rc8
ここで、ホールを解消する15...e5!も可能とのことですが、ギャンビット含みになるラインのようです。どこかで指したいとは思っていましたが結局指しきれませんでした。
16. O-O
これでキングサイドアタックの危険性が少し減ります。
16... Be7 17. Bc4!?
驚くことに、一見自然に見えるこの手は黒のタクティクスを誘発します。
17...Nd8! 18. Qb3 Bxf3!
これで、次に...f4があります。
19. gxf3 f4 20. Bxe6+ Nxe6 21. Qxe6+ Qf7!
コンビネーションに次ぐコンビネーションです。22. Qxf7+ Rxf7ではつぎにビショップを助けられないため、白はe7のビショップに圧力をかけるしかありません。
22. Rfe1
仕方ないところです。
22... fxg3 23. Qxe7 gxf2+!
こちらを取るのが大事です。23... gxh2+ 24. Kxh2 Qxe7 25. Rxe7などは面白くありません。
24. Kxf2 Qxf3+ 25. Kg1 Rc6!
コンビネーションの最後の、しばしばthe sting of the scorpionとよばれるタイプの手です。白からのQe6+を防ぎつつRg6#を狙っており、受けるにはクイーンを捨てるか、
26. Rd6
この手しかありません。この次のタクティクスは、難しくありません。
26... Rxd6 27. Qxd6 Qf2+ 28. Kh1 Qxe1+
これでルークアップです。
29. Kg2 Qf2+ 30. Kh3 Qf3+ 31. Kh4 Rf4+ 0-1
不思議なほど技がきれいに決まった1局でした。