Cut-Off
1.白のポーンが4ランクにいる。
これで黒は"checking distance"を保てます。これはルークエンドで良く出てくるモノなのですが、要約すると「敵キングとの距離が3マス以上空いてるとルークの連続チェックによる防御が容易になる」というものです。
図のように白キングがルークチェックから逃れるにはポーンの影(e3)に隠れるか、7ランク(図の場合はd7,e7,f7のいずれか)に侵入するしかありません。
しかし3ランク空いているのでキングは6ランクまでしか進むことができません。
2.敵キングの参戦を妨害する。
ポーンが4ランクにいるので黒キングがポーンの前に立ちはだかると簡単にフィリドール・ポジション(*)を取られてドローになってしまいます。そのため白はルークによって敵キングを遮断しなければいけません。
* フィリドール・ポジション
RPvsR のエンドゲームで劣勢側がドローにできる局面。現在執筆途中。いつか載せます。
3.「1」と「2」をふまえて
白は難題を突き付けられています。
「1」では「キングだけではポーンを前進できない」と言っているのに、
「2」では「ルークは敵キングを遮断しなければならない」と言っているのです。
要するに最初の図でRe1などとしてe4ポーンを支えて後は進めるだけ なんていう楽なことはさせてくれないわけです。
しかしルークは1手で横方向に沢山進めるのに対してキングは1マスずつしか進めません。つまり
a 長い距離を空けて敵キングを遮断しておいて、
b サッとルークをポーンの前進を助けるマスに移動して、
c 敵キングが頑張って走ってくる間にポーンを進めてしまおう
ということになります。
4.遮断しなければならない距離
ポーンのいるファイルによってキングを遮断しなければいけない距離が変わります。
センターポーン 2ファイル
ビショップ―ポーン 2ファイル
ナイト―ポーン 3ファイル
ルーク―ポーン 5ファイル
5.例
PANDOLFINI'S ENDGAME COURSE
P264 ENDGAME212 Two-File Cut-Off
から一例取ります。