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第50回全日本選手権全国大会 part2

skramchi
2017/11/11 2:47 1
 こんにちは、skramchiです。
 part1に続きまして第50回全日本選手権から2つの記譜をpart2とpart3に分けて解説していきたいと思います。
 ところで記譜解説って解説する記譜が無いと出来ないんですよね、当たり前ですけど。8つの記譜を見て最初に思ったのが、
 どうして自分は『90分累加30秒、40手後追加30分』っていう時間に十分な余裕のあるルールでこんな訳わからん手ばかり指しているのか。
 わざわざ記事にするだけの価値があるのだろうかと思ってどの記譜を挙げるか悩みました。
 まあでもここは一応過去の自分を振り返るためのレポート的な意味で書いていこうと思います。
 
  今回は第7ラウンドから。黒番。
 対戦相手なんとFM。公式戦では過去最高のレーティング値の相手でした。
1.e4 e6 2.d4 d5 3.Bd3!?
 3手目で早速仕掛けてきました。"Schlechter variation"と言うそうです。白はこの白マスビショップを再び動かすことになるので先手の利を失いますが、"Winawer variation (3.Nc3 Bb4)"、"Tarrasch variation (3.Nd2)"、"Advance variation (3.e5)"と言ったメジャーな変化を全て避けることが出来ます。
 一瞬呆気にとられましたが、冷静に対応します。
3...dxe4 4.Bxe4 Nf6 5.Bf3
 ……が、黒の5手目で長考。経験値が極端に少ない局面なので慎重にならざるを得ませんが、時間はたっぷりあるので序盤で致命的なミスを招かないように細心の注意を払います。
 
 白の強みはa8-h1ダイアゴナルを強烈に支配する白マスビショップの存在です。黒はb7やc6をケアしながらクイーンサイドのピースを展開しなければいけません。
 また黒の白マスビショップはa8-h1ダイアゴナルを利用して展開することができません。
 しかし逆に白は"Nf3"や"f4"と出来ないために、e5マスの支配が若干甘いと言えます。なので将来的に黒からポーンをe5と突いて、c8-h3ダイアゴナルを開放し、白マスビショップを利用するプランが必要であると言えます。
 逆に黒の強みは単純に先の手順で得た手得です。しかし白の強みとは違い、こちらは可視化されにくいので大変難しかったです。
 
 そしてこの時考えられる黒の一手は、
 5...c5
  フレンチの基本。白のセンターに対するカウンター。交換すればe5への圧力を減らすことが出来る。
 5...Nc6 
  e5を支える手。しかしBxc6以降、黒が若干良くなると思われるが、それでもダブルポーン対2ビショップの局面は難解。
 5...Nbd7 
  e5とc5を支える手。しかしc8-h3ダイアゴナルとセンターポーンを直接見ているクイーンの利きを自ら塞いでしまう。
 5...Be7 
  キャスリングの準備。Bg5のピンに対するケアでもあり、もっとも堅実な手。しかしこのあと ...c5 dxc5となると手損。
 5...Bd6
  e5を支える手。キャスリングの準備。しかしセンターポーンを直接見ているクイーンの利きを一時的に塞いでしまう。さらにこのあと ...c5 dxc5となると手損。
 
 などがあります。ちなみに5...e5?! は6.dxe5 Qxd1 7.Bxd1であまり好ましくありません。
 正直言ってどの手を選んでもあまり優劣に影響しないと思いますが、私が指したのは、
5.Be7
6.Ne2 O-O 7.O-O c5 8.Nc3 a6?! 
 ここは自然に8...Nc6としてd4に対しての圧力を増やすか、8...cxd4 9.Nxd4 e5とすべきでした。
 しかしやはり8...Nc6 9.Bxc6 bxc6となり、acファイルに2つの孤立ポーンが出来るのを敬遠してしまいました。代わりに指した8...a6?! は白からのNb5をケアしており、そこまで悪い手ではありませんが、ピースを展開する手ではありません。またb6が弱くなってしまいました。
9.Be3 cxd4 10.Qxd4 Qxd4 11.Nxd4 Nbd7 12.Na4 Re8
 クイーンレスのミドルゲームになります。12...Re8はe5を支え、さらにNf5とされたときに黒マスビショップをf8へ退くための手。
13.c4 e5 13.Nf5 Bf8 14.Rfd1 e4 15.Be2 Ne5?!
 疑問手。16.Nd6 Bxd6 17.Rxd6では白がツービショップを持ち、展開でも優れているため、黒は窮屈で希望の薄い状況が長く続くことが予想できます。
 ここでは黒には15...b5 16.cxb5 Re5! とするアイデアがありました。
 しかし……
16.Nd4?!
 お互いに疑問手。確実に16.Nd6だと思ってその後の変化を考えていたので、3手目と同じくらい呆気にとられました。次の一手で天秤が傾き始めます。
16...Bg4!
 この一手しか有り得ないと分かっていながらも、かなり時間を使いました。
 白マスビショップの強制交換。黒はb7の守りに捕らわれてc8に居座らざるを得なかった邪魔な白マスビショップを交換します。これによって黒のルークがクイーンサイドで活躍できる体制が出来上がります。
17.Nb6 Rad8 18.Bxg4 Nfxg4 19.Nb3 Nxe3 20.fxe3 Nd3
 ナイトがd3のアウトポストに侵入することで、白が完全に守勢に回らざるを得なくなります。黒優勢。
21.Rab1 Rd6 22.Na4 b6 23.Nd4 g6 24.Nc3 Bh6 25.Nc2 f5 26.g3 Rc8 27.b3 Kf7?
 目を背けなくなるような悪手。27...b5によるポーン得のチャンスを不意にしてしまいました。27...b5 28.Nd5 その後29...Ne7+ を懸念してのKf7でしたが、ここで実際に27...b5 28.Nd5 とすると28...Rxd5で黒勝勢。
28.a4
 29...Rcc6?! 30.Kf1 Ke7 31.Ke2 Bg7 32.Na2 a5 33.Rd2 Rc5?!
 白にマヌーバリングの余裕を与えるだけの無駄な一手。
34.Na3 Ne5?!
 明らかに局面を理解できていないと言える一手。クイーンサイドを封殺している黒に今求められているのは、34...g5から始まる早急なキングサイドでのアタック! この手によって黒の持っていた優位はなくなってしまいました。
35.Rxd6 Kxd6 36.Rd1+ Ke7
37.Nc3 Nxc4 38.Nxc4 Bxc3 39.Nxb6 Bg7?!
 疑問手。白のルークが7thランクで猛威を奮います。
 40.Rd7+ Kf6 41.Nc4 Bf8
 h7ポーンを諦めます。キングサイドでのポーンマジョリティーで勝っていたとしても、42.Ra7の後にa5ポーンが落ちてしまったらコネクテッドパスポーンによって必敗です。同時にb4マスもケアして白にアウトサイドパスポーンを作らせないようにしなければなりません。ポーンマジョリティーの強みは、それがパスポーンなれる可能性を秘めていることにあります。パスポーンそのものより優位であるはずがありません。
42.Rxh7 Rd5 43.Nb6 Rd8 44.Nd7+ Ke6 45.Nxf8 Rxf8 46.Ra7 Rb8 47.Rxa5 Rxb3
 互いに慎重に確認しながらピースを交換していき、4対3の典型的な白有利のルークエンディングになりました。ここまで来たら、劣勢である黒としてはなんとしてもドローを取りたいところです。
48.Ra8? Rb2+ 49.Kd1 Rxh2
 白が優勢だと思っていた私には48手目の白の一手の違和感に気づくことが出来ませんでした。

 白のキングは1stランクに縛られている。
 黒のキングはキングサイドのポーンの影に隠れることができ、さらに白のポーンにアタックすることができる。
 白のルークはaポーンを守るためにパッシブになっている。
 黒のルークは2ndランクで自由に動ける。
 
 この時、白の持っていた優位は刹那のうちに消え失せ、むしろ黒に天秤が傾いていました。
50.a5 Kf6 51.a6 Kg5 52.Kc1 Ra2 53.Kb1? Ra5 54.a7 Kg4 55.Kc2 Kf3 56.g4
 ここで白からのドローオファー。未だに自分が優勢だと理解していない自分は、相手が劣勢であることを理解してドローオファーしてきていることを察していません。とりあえず自分が「勝ち、負け、ドロー」のいづれかの決着を理解できるところまで指し続けようと決め、ドロオファーを拒否。
56...fxg4??
 何も言えない。
57.Rf8+ Kxe3 58.a8=Q Rxa8 59.Rxa8 g3 60.Rg8 g2 61. Rxg6 Kf2 62.Rf6+ Ke2 63.Rg6 1/2=1/2
 最後はg6ポーンの影に隠れたg4ポーンがプロモショーンできると勘違いしてドローにしてしまいました。
 むしろ56...Kxe3以下、単純に"Lucena Position"で勝つことができていました。
 
 何度もチャンスを不意にしてしまい、とても悔しい一局になってしまいました。
 特にエンドゲームでの決定力は、知識やセンスに依らないところがあると感じました。勝敗を決定づける瞬間でこそ、プレッシャーに負けずに落ち着いて局面を評価することのできる精神力が必要だと思いました。
 

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 ここまで閲覧して頂きありがとうございました。

 記事書く書く詐欺が留まることを知らない感じですが、これからも少しずつ書いていこうと思います。

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