17...Bxg7?
一体なぜこの手を指してしまったのか。それもただの見落としなどではなく、f8のビショップがa3-f8ダイアゴナルから離れてしまう危険性を理解していたにも関わらず!
原因は時間切迫でもなく、局面評価が非常に困難な状態で心負けしたことでした。Rxg7が可能なことを見落としていた私は、d7マスのナイトが退くとQc7#をくらうという強烈なセブンスランクルークを排除したいと言う欲求に正常な判断力を奪われ、その瞬間に勝敗は決しました。
18.Bf4 Qh1+??
さらなる悪手。悪手が悪手を呼ぶ状態。ピース損ながらも18...Bd6とすべきでした。この後黒陣はメイトを避けるために一気に崩壊しました。
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15...O-O-Oまで上手く指すことが出来ていた分、非常に残念な形で終局を迎えましたが、得るものが多い一局でした。最大の敗因は16手目に重要な選択を迫られた黒が、「①黒の反撃」を選んだにも関わらず、17手目に「③Rxg7後のセブンスランクルークの脅威」に捕らわれてしまったことです。「プランの一貫性」はチェスにおいて非常に大切な要素ですが、本譜はその点をよく表しているように思いました。