勝敗に関するFIDEのルールまとめ
FIDE のルールは2014年7月から新しくなっているらしいので読んでみた。
以下は大胆適当に意味をとってまとめたもの。反則手や両者時間切れなど、オンラインチェスと関係の薄い項目は読み飛ばした。
チェスのルール(勝敗に関するルールのみ抜粋)
勝利条件
基本的な勝利条件は以下2つ。これは特に問題ない。
- 5.1 a. チェックメイト
- 5.1 b. 相手の投了
基本的なドロー条件
基本的なドロー条件は5つ。最初の3つはただちにドローが成立するもの。自分はここで dead position という語を初めて聞いた。
- 5.2 a. ステイルメイト
- 5.2 b. dead position (also 1.3, 9.7)
- 5.2 c. 合意
dead position とは、「互いにいかなる合法手の連続によっても相手をチェックメイトできない局面 Where neither player can mate the opponent’s king with any series of legal moves」のこと。KvK, KBvKなどの戦力不足によるドローはここに含まれるが、それ以外にもいろいろな種類の dead position がある。例は The Insufficient Mating Material Rule - E4EC のサイトに詳しいが、ドローを互いに回避できない局面はそれ自体すでにドロー、という点は要注意。
基本的なドロー条件の残り2つは自動的には成立せず、プレイヤーの申請を要するもの。
- 5.2 d. 同形三復の申請 (also 9.2)
- 5.2 e. 50手ルールの申請 (also 9.3)
同形三復とは同一局面の三回出現のこと。同じ手の反復でなくてもよい。
同一局面とは両者の駒の配置も、可能な着手も全く同じ局面のこと。したがってアンパッサンができる局面とできない局面、キャスリングができる局面とできない局面は、駒の配置が全く同じでも同一局面ではない。(9.2)
50手ルールとはポーンを進める手でも駒を取る手でもない手が50手続くこと。
競技ルールでのドロー条件
競技ルールには上のドローの5条件に加え、下の2条件が追加されている。これらは基本ルールとは異なり、申請を必要とせずただちに成立する。
- 9.6 a. 同形五復はドロー
- 9.6 b. 75手ルールはドロー
時間切れ
そして時間切れに関する項目。ここが以前触れた FIDE と USCF でルールの異なる箇所。
- 6.9 時間切れは負け。ただし、いかなる合法手の連続によっても自分がチェックメイトされ得ない場合はドロー。
時間切れが迫ってのドロー申請
最後に、時間切れ勝ちを狙ったプレイを戒める項目。旧10.2。USCFの insufficient losing chances はこれに相当。
- G.5 残り時間2分を切ったプレイヤーは、対戦相手が普通の手段では (by normal means) 勝てない、または普通の手段で勝とうとしていない場合、時間切れになる前に審判員にドローを申請できる。審判員は申請が妥当か判定し、受理または却下する。
この「普通の手段」ルールは1手ごとの時間加算がないゲームにのみ適用される(G.3)。