"insufficient material"
追記:現在と考え方が異なる部分があります。
Top Games 観戦が好きなのだが、戦力不足 (insufficient material) による引分がよく出てくる。時間切れでも引分になるので最初はびっくりした。
時間切れでも引分になることについて、Chess.com の FAQ にはこんなことが書いてある: "Finally, note that in cases where the opponent has insufficient material to mate (lone King, King + Knight, King + Bishop, King + 2 Knights) a draw will be automatically declared where there is a time-out." (https://support.chess.com/customer/portal/articles/1444798-how-do-i-claim-a-draw-) 戦力が K, K+N, K+B, K+N+N になった相手に負けることはあり得ないから、こちらが時間切れでも引分になる、と。
しかし、やっぱりこれは変だ。
こんな風にK+NやK+Bでもチェックメイトは可能だ。「戦力が K, K+N, K+B, K+N+N になった相手に負けることはあり得」る。
戦力不足による引分 (draw by insufficient material) が成立するのは
- K vs K
- KB vs K
- KN vs K
- KB vs KB (同じ色のB)
の場合だけだ。両者の残り駒がここまで減ってはじめて成り立つのであって、一方がK+BやK+Nまで駒を減らしてもそれだけで戦力不足とは呼べない。Chess.com はルールを変更して、単に時間切れの側を負けとするべきだ。
追記:その後公式ルールを詳しく調べたりして、考えが変わりました。「単に時間切れの側を負けとする」というのは、時間切れ狙いのプレイをすべきではないとする競技ルールの精神に反します。今はむしろ「片方に勝ちがあり得ない局面」をコンピュータで自動判定できる方法はないのだろうか、といった方向に関心が移っています。