naruzoのチェス本レビュー!中盤編「3手読んで勝つ戦術」

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定跡編から今度は中盤編。

二冊目に紹介したいのはこの本。 

3手読んで勝つ戦術:アーヴィング・チェルネフ.フレッド・ラインフェルド著水野優訳

3手読んで勝つ戦術 (チェス・クラシックス 6)

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目次

1.無数の選択肢から戦術を見つける

2.勝ち方

3.率直な表現で

4.ピン

5.ナイトのフォーク

6.二重攻撃

7.ディスカバード攻撃

8.ディスカバード・チェック

9.ダブル・チェック

10.過負担ピース

11.防御崩し

12.退却不能

13.串刺し

14.昇格のコンビネーション

15.危険な最後段

16.連携崩し

17.仰天手

18.コンビネーション

19.チェックメイトの作戦

20.勇敢な防御術

21.実践例

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前にも言いましたが、定跡を学んだからといって、そう簡単に勝てるほどチェスは甘くありません。

定跡は単に方位磁石の様なモノで、ただ北(勝利)を指しているだけ。「こうやったら楽に行けるんじゃないっスか?」的な。。。しかし、その方向、行く手が雑木林だったら?川があったら?

そんな時に必要なのは、ナタであったり、イカダであったり、どうやって進むか?というアイデアなのであります。

せいぜい定跡が通用するのは10手前後。

その先は、未知の世界なので、かなりのサバイバル能力が必要になります。

naruzoも、今もって苦戦中ですが、ダラダラと長話するよりも、この本に書いてある冒頭(p6)の言葉に全て集約されています。

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「目的を持ってチェスを指すためには、膨大な選択肢のほとんどを捨てて、可能な指し手をごく少数まで絞らねばならない。指し手を選別する方法をひとたび身に付ければ、目的にかなった手だけを指したくなる。こういう指し手は、従来から二つのカテゴリーに大別されてきた。それは戦略と戦術だ。確かな専門筋の情報によれば、チェスの(少なくとも)90%は戦術で成り立っている。(中略)本書は、戦術を勝つために最も重要で必須の要素として系統的にまとめた初めての本である」

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naruzoは本を読む場合、まず「自分の実力に見合った本を読む」と言う事を大前提としています。その為、結構速いペースで読み終える事が出来ます(理解しているかどうかは別として)。そして2度3度と読むわけです(そうやってちょっとづつ理解していく)。

特に、出来るだけ最初は、日本語で書かれた本を読みます。狙いや方針を知る為です。

で。この本も前回同様、中盤の問題集というより、こういう風にして攻めるんだよ♪という感じの本です。

チェスの本にも、当然難易度があります。

この様に中盤を扱った本も、非常に難解なポジションからタクティクスへ持っていく本がありますが、naruzoレベルだと「簡単orほどよくありそうな局面」から、解説を見た時「なるほど!」と明快にわかる本がいいのです。解説を読んで「?」という本では時間の無駄なのです。

例えば簡単な問題ですが

4.ピンより(便宜上白黒逆掲載。本では白が手前です。以下同じ)

局面図ではなく全体図で構成されているので、上の問題の様に、非常に初歩的で単純な問題も考えるクセがつきます。

5.ナイトのフォークより

 非常に簡単な問題かもしれない。しかし、初心者は、この様な問題を解く事で「ここはなにかありそうだ・・・」という嗅覚を養うべきだと思います。

14.昇格のコンビネーションより

単純な手ではありますが、(ナイトを取らずルークを寄る)これで白がよくなるのだから、知っていると知らないでは、その差は大きいですね。

全編にわたって全体図から「どの様に指すか?」を簡潔に説明している構成で、非常に読みやすいし見やすいし面白い。

初心者は、chess.tempo等でタクティクスの問題をやるのもいいですが、この様な本でタクティクスの原理を知ると視野が広がり、より問題も解けると思います。

お薦めします!

ちゃんちゃん♪