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naruzoが加藤一二三の名言(上達編)を教えるよ。~その2~

naruzo
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正直なところ、書きたい事が一杯あるのですが・・・。

さて、今回は前回の続き。

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「私が長考をはじめるようになったきっかけは、やはり、升田九段、大山名人、この二人の棋士から受けた影響が非常に大きいですね」 加藤一二三

「戦ってみて、肌で痛感した事は 『升田、大山の両先輩は、将棋を読み切って指す事が出来る人だ』ということであった。両者の棋風は全く違うが、共通しているのは、中盤に入ってから、『先行きどうなるか』という必然性を『両者がハッキリ予見している。そのことを見通す目を持っている』というところだ。これは、自分にとって大きな驚きだった」 加藤一二三

「全盛期の升田・大山の両者は、将棋を序盤の段階で読み切って指していた。個々の手ではない。先行きの必然性、対局の流れを読み切った上で将棋を指していた。だから、一旦、悪くしてしまうと、この二人に対しては、なかなか挽回出来ず、押し切られてしまうことがしばしばだった」 加藤一二三

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・・・。チェスがある程度強い人は、読み切っている・・・は言いすぎかもしれないが、ある程度、『こういう展開になるな』という予見が出来ていると思うんだよね。つまり『大局観の精度』だね。弱い人は弱い人なりの最善手が浮かぶ、というものの、この『大局観の精度』が天と地ほどの差があるので、ゲームに付いていくのが精いっぱいなんだよね・・・。

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「自分は将棋への考え方に、大きな修正を迫られた。それまで、『将棋はいくら考えても、先行きを正確に見届けることは、不可能だ』と考えていたが、升田・大山の両天才と戦ってみて、『将棋を読み切った上で指してくる棋士が現実にいる』ことに衝撃を感じ、またそのことに深い魅力を感じた。読み切れる将棋を指した人は、将棋史上そう何人もはいない。が、今、目の前にその数少ない二人がいる・・・」 加藤一二三

「なるほど、将棋とは読み切れるものなんだ。決して指運やフロックで勝敗が左右されるものではなく、あくまで理詰めの構造をもっているものだ。升田・大山の棋譜を調べ、深くその事を感じた自分は、以後、『直感精読』型の棋士に変わった」 加藤一二三

「読み切れる将棋を自分も指したい。考えに考えぬき、先行きをトコトン極めてみたい・・・。こうした思いは二十代の後半から自分を捉え、以後、極端な事をいえば、『相手は問題ではない。目の前にある局面こそが問題だ』と思い、考えに考え抜くようになった。秒読みに追われるようになったのは、読み抜けば抜くほどハッキリしてこないため、しだいに決断に迷うようになってからだ」 加藤一二三

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・・・今回も長い?

我慢してね♥ まだまだ続くよ♪

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「ところが、最近になって少しずつ考え方が違ってきましてね。中原名人、米長九段の二人と何度かタイトル戦を戦っていく中で、あの二人にはとても勝負巧者なところがあると痛感した。つまり、局面を重視しながら、相手を見て指す。局面を見ながら、相手をもよく観察していて、心理の意表を突いてくる。相手を良く呑み込んだ上で勝負を連発してくるのです・・・」 加藤一二三

「つまり、中原、米長の二人は相当深い所で、勝負として将棋を捉えていまして、一局のうち、ここぞという急所で、ヨミの方向を相手の意表を突いたり、一番イヤがる流れに向けてくる。その点での判断力が実に鋭くて正確である、ということですね。いわば、読み切ると言うよりは、ある意味では『急所において勝負をかけた一手』を指してくるのです」 加藤一二三

「これを私流にいえば、『急所における大局判断の見切り発車』です」 加藤一二三

「あの二人は、見切り発車の制断が正確で、そうした判断力を養うため、人間観察や、盤面の流れの見方について、普段から精通している。そういうことがより深く分かってきました」 加藤一二三

「そこで私も、ある意味で見切り発車もやむを得ないと考えるようになり、最近は秒読みに苦しまされる事が割合に少なく、時間を少し余して指すようになっています。いずれにせよ、私の将棋は道の半ばにさしかかったところであり、ますます完成目指して頑張らなくては・・・と思っています」 加藤一二三

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なんとも誠実な将棋の使徒ではないか。

かつて升田幸三は、若かりし加藤九段を評して「あの精進ぶりは必ず実る時がくるだろう」 と言った。

もうちょっと続くよ。

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「将棋は、指しての全てが急所というのではなく、一か所、二か所で、『ここで判断を誤れば負けてしまう・・・』という局面が現れます。初心のうちは、どこが急所か分からないので、長考するポイントが違いますが、アマでも有段者になれば、そういった局面の急所が実感でき、ピンとくるものです」 加藤一二三

「その時こそが、上達のチャンスなのです。つまり、そういう急所で、まず自分の第一感で浮かんだ一手を中心に読み抜く癖をつける。読み切れない場合は、ある意味では俗な言葉での”指運”に賭けてみるってことが大切です。指運といえば、何かフロックをアテにするようですが、これも自分の判断が正しいかどうかの真剣勝負だと思えば、やはり気力の充実と言う事の大切さが分かってくるいい機会だと思うのです」 加藤一二三

「とくに秒読みの場合、アマ・プロを問わず、直感で浮かんだ一手の90%はその人のベストの手、つまり客観的な最善手ではなく、その人にとっての最善手であると考えて間違いありません。その一手をグイっと指し切る気力の充実。この一点がうまくいけば、秒読みはのり切れる、というのが私の信条です」 加藤一二三

「中年や老年に入って頭が固くなるというのは、こと将棋については、まるっきり根拠のない話です。年齢関係なく多くの人は、上達の一歩手前までたどり着きながら、もう一歩というところであきらめてしまうのです・・・。将棋に時間を費やす人ほど上達する。これが真理です。年齢は関係ありません」加藤一二三

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今回の文や前回、また花村のお話は、ある本からの抜粋なんだけど、その本の初版が1982年になってる・・・。

30年以上前の本からの抜粋ってトコに驚くよねw

ま。本質は変わらないってことだね。

最後に、加藤九段は言う・・・。

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「上達について、自分で自分を見限ってはいけません。ミスを出しても、なぜそうしたミスを出したのか、原因を突きとめていくならば、上達は続きます」

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実は、naruzo・・・加藤九段の直筆「直感精読」の色紙を持っている。

額に入れて飾っているよ。

・・・て、ところで・・・ちょっと前回、今回と上達法というには、ちょっと違う気もしないではないけど・・・。

ま。いっかw

ちゃんちゃん♪