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ドッペる

nyankomusume
May 18, 2014, 4:48 AM 4


 あらゆる分野の競技にあまねく存在するセオリー。チェスにも色々とセオリーと呼ばれるものがあって、指し手を決めるときのひとつの指針となるものではあるのですが、実戦においてそれは、活用しているのか誤用しているのかは、正直微妙なところで、というかほとんどの場合誤用してしまっているんだろうにゃぁ……と、最近思います。

  思えばにゃんこむすめもチェスを始めてかなりの月日が経つわけですけれども、このセオリーなるものが未だによくわかりません。特にポーンに関するものについては、考えれば考えるほどドツボにハマるような気がします。

 類型的な、あるいは典型的な局面を迎えると、頭の中でセオリー、あるいは種々の格言を思い浮かべては、それを現局面と照らしあわせてみたりします。その結果は、と言えば、

  で?

 と、次にどうしていいのか判らず固まってしまうだけのことの方が多いように思います。

(図1) はchess.comで最近指した通信対局(一手3日以内)で、白番がにゃんこです。例によって「1.c4」から始まるイングリッシュ・オープニングでスタートして9手が経過した局面。図の 9...Bg5 という手もどうかとは思うのですが、そこは割愛しておきます。

 

 (図1)

 

 

 

 

 

 

ここから

 10.Nxg5  hxg5 と進んだのが、下の(図2)

 

                                    ( 図2)

 

 


 これは図1の時点で既に想定していた局面ではありますが、この局面を前に、にゃんこむすめは思いました。


   えーと、この黒のg5ポーンの形、何ていうんだっけ?


  チェスには、孤立ポーンとかハンギングポーンと呼ばれているポーンの形(状況)があります。味方の援護から離れたポーンは狙われやすいから良くない(ことが多い)、という文脈で語られることが多い(はずの)ポーンの形に、この図はとても良く似ています。

  また、同じファイル(縦の筋)にポーンが2つ存在している状態は、後ろのポーンがパスポーンになれないので何となく邪魔くさいように感じます。

 ということで、この局面は白が58-42ぐらい白が有利、と判断していました。判断の根拠は、

・黒のg4が孤立ポーンっぽいから。
・白がビショップ2つを残してから(ビショップが好きだから)

の2つです。

 自分で深く分析したというよりも、前述のとおりの浅はかな、中途半端な知識と個人の感想とを照らしあわせただけです。ここから

11. Qe2 g6
12. Qg4 Kg7
13. Bxg5

と進んで1ポーン得。

 

           (1ポーン得した図)

 

 

 

 

 

 




  黒はキングの守りが弱体化しクイーン側の展開も遅れています。一方、白はピースの展開がほぼ完了し、キャスリングの陣形も強固で、しかも1ポーン得。間違いなく白が優勢です。

 で?
 ここからどう指すの?

 

 実戦において結果を掴みとるためには、具体的な手順が必要です。
 一般原則や概念だけを学んでいてもダメなのです。 

 交通教則を暗記しただけでは自動車の運転が出来ないように。
 あるいは。
 教科書片手に綺麗なノートを何冊仕上げようとも、過去問の演習なしに試験を突破することは出来ないように。いやできる人いるかもしれませんけど。

ところでみなさま。

戎棋夷説14/03/31 http://www.orcaland.gr.jp/~maro/diary/diary.html

は読まれましたでしょうか?そこには、chess.comでの通信対局に関して、こんなことが書かれていました。

「充分な時間があれば、対戦相手の棋風を分析できるからだ。相手の欠点をさがし、そして、その欠点が表面化するような戦い方を何通りか準備し、相手をそのシナリオのひとつに乗せればいい。私の言いたいことはおわかりでしょう。これは「正々堂々とした人間同士の戦い」である。むしろ、分析を怠るプレーヤーや分析能力の無いプレーヤーに問題があろう」

 ……そこまでやってんのかすげぇ!

と、いたく感動したにゃんこは、さっそく真似してみようと今回の対戦相手の過去の棋譜をねっとりと並べました。並べました。並べました。相手の欠点を探しました。探しました。探しました。

 ……。
 ……。
 ……。

 さっぱりわかりませんでした!

 わかることと言えば「まぁ、カールセンほどは強くないかな」ぐらいなもので、それだったら棋譜調べんでも誰にでもわかるっちゅう話です。

 その代わりというか、気になったことが一つ。気になったというより気持ち悪かったことなのですが、この相手、とにかくにゃんこむすめに似てる、と思ったのです。顔じゃありませんよ?指し手の選択が、です。

 あらゆる局面で、自分ならこう指すかな?といくつか予想した指し手のうちのどれかに合致する率が異様に高いと感じました。

 では、自分の「チェスの欠点」って何だろう?と考えたら、何というか、思いつくことだらけです。ならば、あえて突こうとせずともテキトーに矢を射ていればそのうち弱点に刺さる、としか思えません。


 それを踏まえて(←踏まえるほどの分析結果が出ていない)実戦に戻ります。

 ここで考えたのは

・c3のナイトが戦いに参加してない、何とかしろ
・どっちかのルークをe1経由で中段からキングサイドに配置展開したい
・黒はhファイルにクイーン、ルーク、c8ビショップの効きを集中する筋を狙ってくる(ような気がする)
・もたもたしていると黒の2ナイトの展開が間に合ってしまいそう

といったようなことで、何というか考えれば考えるほど、

 このゲームドローじゃね?

という気がしてきます。それでなくてもにゃんこむすめは、全てのゲームの理想的結末はドローである、という哲学を持っている猫なのですから。

そして迎えた図3。

 


(図3)



 この数手前あたりから、どこかで Qh3(クイーンを端っこへ)みたいな手を狙っているのですが、それにはいつでも ..e6 と、c8ビショップの効きを通してクイーンに当ててくる手があって簡単には行きません。

 

 ペナルティエリア近くまで攻め込みながら、中々シュートを打てないサッカー日本代表の試合みたいな空気が漂ってきました。

 ちなみにワールドカップ・ブラジル大会は6月13日に開幕です。
優勝は地元ブラジル、今回もまた、あえなくベスト4止まりとなったドイツのヨアヒム・レーヴ監督が大会後解任され、一応の成果を残して勇退することになったザッケローニの後をついで日本代表監督に就任 、というところまで予想しておきます。

 それはともかくこの局面。

  えーと、この白のd4ポーンの形、何ていうんだっけ?
 
  両隣りのファイル(縦筋)に援護する味方のポーンがなく敵のピースに狙われやすい。それは孤立ポーンといいます。

  孤立ポーンっぽい、ではなく孤立ポーンそのものです。

  いまいち成果の上がらない部署の意識改革と業務の見直しを試みたところ部下の反感を買ってしまった、本社から地方支社へ出向してきた課長さんみたいに孤立しています。

 具体的に言うと、黒c6のナイトにこの白d4ポーンを取られると、それが今度はクイーンに当たってきて、さらにその後このナイトはf3へのフォーク(キング、ルークの両取り)の可能性や、場合によってはc2やe2へ侵入して空き巣を働く危険もあります。こうなると、白のc3ナイトとの働きの差が出てしまい、形勢は逆転するでしょう。

 ていうか、既に逆転してるんじゃね?

この局面を前にして、にゃんこむすめは思いました。
 

 孤立ポーンはよくないというセオリーてホントだったんだなぁ、と。
 
 そして
 孤立ポーンっぽいだけで優勢を意識して慢心してはダメだったんだなぁ、と。


ことここに至って気づきます。
(図2)の局面では、弱体化した黒のキングサイドだけを見るのではなく、白のクイーンサイドのマイナーピースの活用を最優先して考えるべきである、と。

  えーと、こういう状況を指して何て言うんでしたっけ?
 
  後の祭り?

ゲームは進んで(図4)となります。

 



(図4)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(図4)は、30.. Qg7としたところ。
ここから

31.Qh4+(チェック) Qh6
32.Qf6  Qg7 (ここで図4に戻る)
33.Qh4+ (またチェック) Qh6
34.Qf6

 以下、同一局面の繰り返しでドローとなりました。わーい。

 白から手を変えることも出来ましたが、例の ..Nd4とポーンを取られる展開になった時、自信が持てなかったのです。ドローが好きだからーというのも理由のひとつではありましたが、そんなことよりこのゲーム、13手目あたりからずっと、ほとんどの手が想定内の読み筋通りに進んでいて、何というかもう気持ち悪くなったんですよね。


 相手の指し手は予想できるけれども、具体的に勝ちに結びつける手は思いつかない、ということで
 何だか疲れた というのもありましたし。

 疲れ過ぎたのか何なのか、局後のにゃんこむすめは、うっかりブリッツでも始めようものなら10手おきにトイレに行きたくなって時間切れで負けてしまいかねないぐらいの原因不明のひどい頻尿に悩まされるようにもなりました。おいおい何だこの体調は?にゃんこむすめ死んじゃうの?

 いやー、しかしこれほどまでに自分と似たような手ばっかり考える相手は初めてで実に恐ろしい敵でした。ひょっとすると奴は

 ドッペルゲンガー

 だったのかもしれません。

 怖っ!

 





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